Cryolipolysis(CoolSculpting)
みなさま、お久しぶりです。
ほんと、気を抜くとあっという間に時間って過ぎちゃうんですね。
また気合を入れないとなと思う次第であります…
大浦先生にも必読なんておっしゃっていただいてますし(身に余ります💦)
ということで、本日のネタ。
Cryolipolysis(CoolSculpting®)
聞いたことないでしょ?
興味わくでしょ?笑
僕もそうです。ってことでまとめます。
日本語の概要はこちら
Body Contouring(痩身、輪郭矯正)の一種ですね。
脂肪組織を冷やして壊死させてボリュームを減らすという…
面白いことを考える人がいるものです。
もちろん自費診療です。
英語のページにはこう書いてます。
FDAは通っているんですね。
お腹だけじゃなくて顎とか腕、太もも、背中、お尻とその下(banana roll fatって言うんですね)など広い範囲に使える。
使っちゃいけないのは
cryoglobulinemia(クリオグロブリン血症)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/100/5/100_1289/_pdf
cold agglutinin disease(寒冷凝集素症)
paroxysmal cold hemoglobinuria(発作性寒冷血色素尿症)
どれも冷たいと悪化する病気ですね。
国試勉強ではいまいちイメージつかめなかったこのあたりの疾患ですが、以下の記事はとてもわかりやすいと思います。何より会話調なのが好き。
https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/191063-1-16.pdf
調べるとこれ、ラジオ番組なんですね。毎週聞いてみようかな。耳で覚える派にとってはこういうの、ありがたいですよね✨
さて、話を戻して。
美容・皮膚というと胡散臭く考えてしまうのが医者の常ですが、ちゃんと調べてみようということで以下の論文を見つけました。
2015年のものですね。
34文献が引っかかって16文献を分析。
1445人のデータで安全性を分析。12人(0.82%)で合併症あり。最も多いのが4週間続く感覚低下。
295人のデータで効果を分析。効果判定までの平均期間は3.83ヶ月。平均皮下組織減少率は19.55%。
その後の文献は
1回だけの使用の効果をみたRCT。隠蔽化あり、評価者のみblind。
組み入れ:34人の18〜48歳、BMI18.5〜27、skinfold in the lower abdomen ≥3 cm、活動量低め、禁忌なし、多分ブラジルの女性
介入:-10度、50分の施術
比較:なにもしない
アウトカム:30、60、90日後の超音波で測った脂肪厚、skinfold、腹囲
結果:効果なし
合併症のケースレポート5人分
2015〜2018年の間に4人のPAH(逆に脂肪が増えちゃう)と1人の凹んだ皮膚萎縮
PAHのうち3名は以前に他の施設でそれぞれultrasonic liposuction、laser lipolysis、radiofrequency skin tightening devicesを使っていた。もう1人は他施設でliposuctionした後に起こった。皮膚萎縮の人は他施設でmesotherapyとlymphatic massagesを受けた。
2020年の文献
53文献のレビュー
合併症で多いのは、紅斑、麻痺(知覚鈍麻)、あざ、浮腫
重篤なものは、持続する痛み、知覚異常、色素沈着過剰、運動神経異常、paradoxical adipose hyperplasia
ということで、こういった治療もあるのだな〜という紹介でした。
この脂肪を減らす治療って結構色々あるようで、その中でも今回紹介したCryolipolysisは比較的侵襲度が低く、今後普及が進むかもしれません。
(他には、いわゆる脂肪吸引とか、薬剤、超音波などがあるようです)
個人的には、家庭医は美容についてもっと関心を向け知識を増やしていいんじゃないかと思っています。QOLに直結しますしね!