忘備録:肺癌の遺伝子検査
こんにちは。今回は忘備録的に。
がん治療は日進月歩の分野です。
プライマリケアばかりやっているとなかなか追いつくことができません。
紹介患者さんの返書に書いてあったのが未知の言葉すぎて、勉強してみました。
肺腺癌、cT1bN1M1a ⅣA(EGFRcobas negative ALK IHC negative oncomine46gene negative TPS50-74%)
●肺癌のTNM・ステージ分類
参考:肺がん 治療:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
プライマリケア医としては、予後を知っておくことが結構重要です。
●遺伝子
参考:肺癌診療ガイドライン:特定非営利活動法人 日本肺癌学会
非小細胞肺癌Ⅳ期の治療を選択するときに、ドライバー遺伝子の有無が重要になるようです。(ドライバー遺伝子=癌の原因となる遺伝子異常)
主なものは上記の4つ(EGFR、ALK、ROS1、BRAF)ですが、どんどん増えているようです。
EGFR:Epidermal Growth Factor Receptor(上皮成長因子受容体)
cobasはEGFRを検出するPCR検査のキットの名前のようです。
ALK:Anaplastic Lymphoid Kinase
IHCやFISH法、RT-PCR法で検出するそうです。
IHC:Immunohistochemistry(免疫組織化学染色)
こういった色々な遺伝子異常をまとめて検出するのが遺伝子パネル検査で、その一つがoncomine(オンコマイン)で、46個の遺伝子を調べられるようです。
肺癌患者における次世代シークエンサーを用いた遺伝子パネル検査の手引き
PD-L1:Programmed cell Death 1- Ligand 1
TPS:Tumor Proportion Score
採取した癌組織を免疫染色してPD-L1の発現がどのくらいあるかを評価する。
と、いうことで。上記の患者さんはもし治療するとしたら、ドライバー遺伝子は陰性、TPSは高いのでこれになります。
ペムブロリズマブ(Pembrolizumab)=キイトルーダ®:抗PD-1抗体
(拾い画なので多少変わっているかもしれません)