神戸の若手家庭医のブログ

神戸在住の30代若手家庭医が日々の生活や学びを綴るブログです。

最近のFMカンファ

みなさん、こんばんは。

 

最近のFMカンファで出たネタをまとめてお届けいたします!

 

30代女性、主訴はめまい、喘息だったが、話を聞くとDVや発達障害の息子の悩みを話された。

その後、自分の外来に1ヶ月で6回くらい来られている。予約を早めてくることも。

「◯◯先生のおかげです」というセリフもある。

どう対応すればよい?

 

<コメント>

・他に相談相手がいないのかも

・最初は毎週受診でもいいのでは?どこかで落ち着くかも

・逆に「聞いてもらうのが当たり前」になるかも

・精神科や心療内科への紹介は?→どういう理由付けで紹介するかによる

・無秩序な受療行動は無秩序な生活の現れかも

 スキルアップする必要があるかも

 本人に発達障害は?

・付かず離れずの距離を保ちたいところ

・「冷たくするスキル」も大事

・年齢が高ければ、介護サービスで忙しくして気を紛らわすこともある

・「困った患者」は「困っている患者」

 

定期外来を持ち始めてプレッシャー

わからないことも多い。例えばヘルスメンテナンスって何歳までやるの?

 

<コメント>

・余命5年とか、認知症とか

・ヘルスメンテナンスによって得られる期待余命があるかどうか

 予後1年の人で早期胃癌を見つけようとはしない

・健康観によるところも大きい

・予防医療と健康増進の違い

 前者はエビデンスに基づいたもの

 後者は健康観に基づいたもの

・健康観をどう聞くか?

 →盆や正月、誕生日といったタイミング、大きな事件などをきっかけに

 

ウイルス性胃腸炎で来た19歳男性

「そういえば月に数回、月曜日に腹痛・下痢」どうする?

 

<コメント>

・どう鑑別をあげる?どのカテゴリーを選ぶ?

・慢性下痢だとしたらその定義は何だろう?この人は当てはまる?

・定義に当てはまらないとしたら、どう考えるか?

・自律神経の調整には何が関わっている?

・疾患がよくわからないときにwait and seeすることもある

・病気にカテゴライズしないことのほうがよいこともある

 

外来の看護師さんから、婦人科問診票作って欲しいなと言われた

 

<コメント>

・その希望の裏にある真のニーズは何なんだろう?

・あらたな問診票を増やすことで、負担が増えることもある

部分最適より全体最適

 

更年期ってどう対応したらいい?不眠の漢方って?

 

<コメント>

・更年期は閉経の前後5年。閉経になるまではわからない

・mimickerの鑑別はしっかりと

・ホットフラッシュにはHRTが有効

・漢方はいつもの女性の漢方3のうちどれか

気鬱

 半夏厚朴湯:喉元の閉塞感 小柴胡湯と合わせて柴朴湯も

 香蘇散:とりとめもない不定愁訴

 

 

代替療法に興味がある患者さん、どう話したらいい?

50代男性「糖尿病が治るアンチエイジング、幹細胞をなんたらかんたら」

 

<コメント>

アンチエイジングって、その人にとっては何のことなんだろう?

 (専攻医は美肌と思っていた

 →健康観

・そういう話が出たときは、その場で一緒にパソコンで調べている

 論文になっているのか、データの信憑性は?

 それについての見解を医師としてお伝えする

・伝え方次第で患者の印象も変わる。心理学の応用を

・だいたいのものは、効果と副作用のエビデンスが不足しているので

 目の前の患者に効くかどうかはやってみないとわからない

 ギャンブルみたいなもの

・それにお金と時間をどれだけかけるかは患者次第

・患者のコンテクストが影響していることもある

 ある地域ではみんなが反ワクチン派というところもある

代替療法の選択に至った患者の歴史を探ろう