前胸部痛+α
みなさま、こんにちは。
今回は前胸部痛+αということで、肋骨関連、特に下の方の痛みについてです。
致死的じゃない胸痛の鑑別もだいぶ有名になってきて、以下の病気について聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?(リンク貼ってます)
引用:耳寄りな心臓の話(第56話)『多感地帯の心臓前胸部』 |はあと文庫|心日本心臓財団刊行物|公益財団法人 日本心臓財団
UpToDateではこのようなものが鑑別リストにあがっています。
日常診療でコモンなのはzoster sine herpete(皮疹を伴わない帯状疱疹)ですね。
身体所見で有名な福知山の川島先生も、痛みが主訴のときには必ずこれを想定し「後で皮疹がでてくるかもしれません」と説明しておくことが大事、とおっしゃっていました。
ただこれも、痛みの範囲がピンポイントではなく広がりがあることと、皮疹はなくても感覚異常はあることが多いので、圧痛をみるだけでなくさらっと触れただけで感覚異常があるかどうか確認することがポイントかと思います。
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Cryolipolysis(CoolSculpting)
みなさま、お久しぶりです。
ほんと、気を抜くとあっという間に時間って過ぎちゃうんですね。
また気合を入れないとなと思う次第であります…
大浦先生にも必読なんておっしゃっていただいてますし(身に余ります💦)
ということで、本日のネタ。
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腰椎分離すべり症
みなさん、こんにちは。
今の病院は整形外科の常勤医がいるので診察する機会が少なく、うろ覚えのところも多いのでたまに患者さんが来た時に復習が必要です。
今回は腰椎分離すべり症について。
まず、英語がややこしい。
脊椎症:Spondylosis
発音:spɔ̀ndilə́usis カナ:スポンディロウスィス
脊椎分離症:Spondylolysis
発音:spɔ̀ndilɔ́lisis カナ:スポンディロリスィス
脊椎すべり症:Spondylolisthesis
発音:spɔ̀ndiloulisθíːsis カナ:スポンディロウリスシースィス
腰椎の、だとLumber 〜となります。
(参考:英辞郎on the web)
そして、日整会ホームページを参照。
こちらのホームページもわかりやすい。
疑うポイントは
・小児思春期のスポーツや過負荷
・腰を反らしたときの限局的な痛み
ですね。
分離症を放って置くと、すべり症に移行してしまう。
さらっと概要を掴んだ上で、UpToDate。
① Spondylolysis and spondylolisthesis in child and adolescent athletes:
Clinical presentation, imaging, and diagnosis
・Classification
・スポーツごとの有病率
② Spondylolysis and spondylolisthesis in child and adolescent athletes:
Management
Grade1超えるようなら紹介、安静にしたくない場合も紹介、ですね。
さて、調べるきっかけになった人はすでにすべり症になっている中年男性でした。
Grade2-3といったところ。腰痛はあるが下肢への放散はなし。麻痺もなし。
現状は経過観察となりました。
若い頃は呉服屋で働いて、重いものを担いだりしていたそうです。腰痛で接骨院には行ったそうですが(写真とったって言ってたけど本当?)おそらく見逃されてしまったのでしょう。
治療可能な若い時期に、見逃さないように気をつけたいですね。
ロタワクチン定期化にまつわるあれこれ
みなさま、こんにちは。
更新がだいぶ久しぶりになってしまいました。夏休みだったり、ややストレスが増えていたり、そういう時期もありますよね…
とりあえず、気を取り直してまた書いていこうと思っています。
今回は、2020年10月から定期化となるロタワクチンから、新たに知ったことをまとめます。(TwitterやFacebookに上げたものの再掲です)
①SCID
ロタ・BCGといった生ワクチンの前に気をつけなければならないことに、SCID(重症複合免疫不全症)があります。幹細胞移植を行なった際に、ウイルスの再活性化で苦しんでしまうそうな。
プライマリケアで気をつけるべき徴候がまとまっています。
http://pidj.rcai.riken.jp/10warning_signs.html
とはいえ、ロタの対象となる生後2ヶ月で上記の徴候を疑うのは難しいものです。
出生時に、現在行われているマススクリーニングに加えてSCIDもスクリーニングする事業が、都道府県によっては行われているところもあるようです。(大阪がもうすぐ始まるようです)
②ワクチン接種間隔
これまでの接種間隔が見直されました。10月より適応です!
https://mhlw.go.jp/content/10601000/000590724.pdf
③厚労省の通知における解釈
◯歳以上とか未満とかをどう解釈するか、まとまった資料です。
日本語ってややこしい…
学会・勉強会
みなさん、こんにちは。
今年はコロナの影響で、あらゆる学会の学術集会がオンライン化しています。
直接人に会えない、旅行気分を味わえないなどのデメリットはありますが、質の良い教育コンテンツをいつでもどこでも閲覧できるというのはなかなか良いことだと思います。
普段入会していない学会でも、勉強になりそうなら気軽に申し込みできちゃいます。
ただ、費用対効果も考えて選ぶ必要がありますね。
4桁〜5桁のお金を出して、どれだけの知見を得られるかどうか。
関わりのある領域だけでも、
6月には在宅医療連合学会
7月には医学教育学会
8月には緩和医療学会と内科学会とプライマリ・ケア連合学会
9月には病院総合診療医学会
さらにJHNセミナーもかぶってますし、自分が企画・参加するイベントとかも合わせると、いっぱいいっぱいです。
また、定期的に開催されるWebセミナーもかなり増えてきた印象です。
まとめてみると、
・PCC/PCLS:毎週水木7:30-8:00
https://web.sapmed.ac.jp/chiiki/
・M3:不定期
https://mrkun.m3.com/mrq/webcon/top.htm?pageContext=headerIcon
・ケアネット:不定期
https://seminar.carenet.com/lv/live/?linkfrom=com_left_menu_t
・民間医局:毎週水
・Antaa:不定期
※他にもあれば教えて下さい
さらにSNSでの情報収集も重要です。
特にTwitterの速さと拡散力は驚くべきものがありますが、一方で情報の信頼性には気をつけなければなりません。
逆にFacebookは閉じた空間なので信頼性は増しますが、分野や意見の偏りはできてしまいます。
最近読んだ医学教育の本にも書いてありましたが、知識が多いことが重要なのではなく、それをどう活用し実践できるかの方が重要な時代になっています。
どこからどうやって情報を取得し自分のものにしていくか、どう活かしていくか。
生涯学習のやり方は常に振り返り、アップデートしていく必要があります。
自分自身の環境も日々変化しますしね。
みなさんの工夫もよければ教えて下さい!