今日の教育 2020年6月16日(火)
みなさん、こんにちは。
火曜日は午後にFMカンファをやっています。
専攻医から最近「モヤモヤした」事例(患者に限らない)を出してもらい、ディスカッションしていくカンファレンスです。
今日のネタはこちら。
①「医療費が高い」とクレーム
②亡くなりそうであることの本人との共有
まずは①から。
入院中の患者さんのご家族からいきなり電話がかかってきて「入院費が高い」と言われたとき、どう対応するか?
結論としては「事務に任せる」なのですが、付随して医療とお金のことについて深めました。
患者負担を減らす方法はいくつかあります。
・高額療養費・限度額制度
・確定申告
・身体障害の認定を受ける
・生活保護
このうち、高額療養費制度は医療、身体障害と生活保護は福祉の領域になります。それと介護を合わせた3つの制度をうまく使い分けることが患者ケアでは必要になります。
制度に関しては、年度によって改定があるので公的機関のホームページで勉強するのが一番です。
高額療養費制度について、厚生労働省のホームページはこちら。
確定申告について、国税庁のホームページはこちら。
身体障害について、厚生労働省のホームページはこちら。
認定は患者さんの居住地の都道府県知事(地方自治法第252条の19第1項に規定する指定都市 及び同法第252条の22第1項に規定する中核市にあっては、その長)が行います。
サービスの提供は市町村が行いますが、国も財源の補助を行うこととなっているようです。
次に②です。
非がんの末期、専攻医と病棟とのカンファレンスで、「本人に(余命短いことを)告知したほうがいいのでしょうか?」という意見があってどうしようと思った、という専攻医のモヤモヤです。
どんなことを話したかと言うと…
・癌の看取りとの違いはなにか?
・この患者は「不可逆」だと判断したのはどの時点か?
→非がんだと結構難しいことが多いですよね
・本人に「告知」することにメリットはあるのだろうか?
・逆にデメリットは?
・看護師とのカンファレンスの中で、この問いが出てきた背景は何だろうか?
裏にどんな思いが隠れているのだろうか?
また、専攻医のコメントから思い浮かんだ村田理論の話もしました。
がんの患者さんは、診断がつきBSCとなった時点で残りの時間を否応なしに意識することとなります。そのため、時間存在の柱が不安定となり、スピリチュアルペインにつながることとなります。
非がんの場合、こういった「未来の予測」はあまり行われないことが多いです。もちろん自分で何かを感じ取っておられることも多いですが。そのなかで、あえて告知をすることは時間存在を揺るがすことになるかもしれない、という視点がありました。